恋する予感
「大体、部長も部長よ。あれだけ人に今回のプロジェクトを頼むって言ってきたのに、上手く行かなくなり始めた途端、やっぱり女のお前には無理だったんだだなんて…本当にあり得ないわ。これだからあの偏見部長は嫌なのよ…」
「確かに、当初は部長も先輩のことをゴリ押ししてましたからね…」
「あーぁ…。もう潮時なのかしら?」
自分でそう言ったものの、何だか切なくなっていた。
そんな気持ちを佐伯に悟られないようにと、近くにあったお酒を一気に飲み干した。
今思い返して見れば、きっとこの時の私はもう既に酔っていたのかもしれない。
遠くの方で佐伯が何かを言っているようだったけれど、私の意識は此処で途絶えたのであった。