私は先生に恋をした。
そうして、山口先生の指導が10分ほど経った時、いつの間にかクリスマスの話になっていた。
今は12月22日。クリスマスの話が出てもおかしくはなかった。
「市村さんはクリスマスは家族と過ごすの?」
「クリスマスイブは家族と過ごします。山口先生はクリスマスは誰と過ごすんですか?」
「1人。」
「え?!またまたー(笑)」
「マジなんだって(笑)ていうかクリスマスまでに年賀状書いてしまわないといけないしね(笑)」
「あ〜、なるほど(笑)」
「そう言えば、市村さん書道習ってるよね?」
「はい。」
「年賀状書いてくれない?宛先だけでいいから。お願い!」
山口先生は手を合わせて私にそう頼んできた。
確かに私は書道でたくさんの賞状をもらっている。自分の字にはちょっと自信があった。
「いいですよ、私でよければ(笑)」
「ありがとう。明日祝日だけど、予定とかある?」
「いいえ。明日にしますか?」
「いいの?!」
「はい。私は大丈夫です。」
「ありがとう!それじゃあ……明日の昼1時に
塾の前で。」
「わかりました。」
そうして私は山口先生とプライベートで会うことになった。