私は先生に恋をした。
「それではお座りください。 」
塾長さんに言われ私と母は椅子に座った。
それから1時間ほど学習状況やこれから受験の作戦などを話し合った。
「えー…高校生レベルを教えられるのが理系の講師しか居りませんで、男性の割合が多いんですが、男性でも大丈夫ですか?」
塾長さんからそう聞かれ、
「大丈夫です。」
と私は答えた。
「中学の時は、どの先生に教えてもらってた?」
「最後が佐藤先生、その前が山口先生です。」
「そうなんだ♪山口先生はまだいますよ?」
「そうなんですか♪」
私はこの塾にまだ山口先生がいることを知っていたが、知らないふりをして答えた。
「それではこれからよろしくお願いします。」
塾長さんが頭を下げる。
「こちらこそ、宜しくお願いします。」
母が頭を下げると同時に私も頭を下げた。