私は先生に恋をした。
月曜日の夜9時。


この時もまた山中先生の指導だった。


「ありがとうございました。」


私はそう言って指導を終えた。


(今日の数学、難しかった…)


そう思いながら私は机の上の消しカスを集めていた。


指導室から出て、ゴミ箱に消しカスを捨てて顔を上げると、目の前に山口先生がいた。


大学の本なのかな…


分厚い本を見てスラスラとペンを走らせているのを見てそう思った。


こっちを見て欲しかったけど、内心目が合わなくてよかった…と思ってしまった。


なんだろ…この気持ち…話したい筈なのに…


心の中での矛盾した思いが私を困らせていた。

< 7 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop