お見合いと壁ドンで!?
「ただ…これだけは、言わして欲しい」
そう言うと壁から手を離し私の頭をポンポンと撫でた。
「これから少しずつでいい…俺の事を知って欲しい。
好きになってくれたら嬉しい」
少し照れくさそうに言う課長。
「……。」
その表情に
ぬくもりがある優しい手は、今まで見てきた課長とは、違った。
何だか心臓の辺がポカポカと温かい。
そして、キュンと締め付けられるような気持ちになった。
「悪かったな…強引なやり方して
戻ろう…家族が心配をしているだろう」
課長は、静かに歩き出した。
振り向き様に
「行くぞ?
松井」
いつものように私の苗字を呼ぶ。
あれれ?
いつものように呼ばれているだけなのに何だか恥ずかしくなっていく。