~ハル先輩と私~
5.学校で考えること
授業中。
頬杖をつきながら私は私達の事を考える。
同じ学校なのに別々に向かうのはどちらかが“別々に行こう”と言ったわけでは
実はないわけで…
そう考えると私達の中での“暗黙の了解”なのかもしれない。
いや、お互いが“壁”を作っているのかもしれない。
名前の後に“ちゃん”と“先輩”をつけてわざと私達は壁をつくっていたのかもしれない。
気づかぬうちに…
それに、私はハル先輩に対し敬語だ。
ハル先輩は同じ学校の先輩なのだから敬語で話すのも先輩をつけるのも普通のことだが
私とハル先輩は友達以上なわけで、そう考えると逆にそれはおかしいのかもしれない。
友達のように気楽に話す方が普通なのかも…
だから、そう考えると私達はお互いに壁を作っているのだと確信的に言えてしまうのかもしれない。
そう感じられる壁があるのだから。