記憶と共に幽霊と。
貰ったバタークッキー
授業が終わり、部活へ向かう。
私が所属する部活は
『心霊現象研究部』
通称、霊研だ。
霊研の部室は文化系クラブ棟の2階の一番西側にある。
立て付けの悪い苦戦しながら開ける。
「しつれーしまーす。こんにちはー」
間の抜けた挨拶と共に部屋に入る。
部屋の壁は本棚で埋まり、一番奥にある大きな机には、頭にタオルを巻いた上級生が座ってる。
「こんにちわん。あれ?明ちゃんとひかりちゃんは?」
上級生は読んでいた分厚い本から目を離し、私を見る。
校則違反ギリギリの赤黒い髪色をした人だ。
「二人はやることがあるって先に帰りましたよ。どうします?部長」
私が聞くと頭にタオルを巻いた部長はにへら、と笑って
「仕方ないなぁ…二人で何かやっても面白くないから…今日は解散にしましょう。いつ帰ってもいいよー」
と言って本に視線を戻した。
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