記憶と共に幽霊と。
男の子は悲しそうな表情のまま家を指差し、
「僕は、この家の子なの。
お母さんに、僕の事で悲しまないでって伝えてほしいの。できる?」
と言って私をまっすぐ見据えた。
霊研には、ルールがある。
幽霊の頼み事を受けたときは、必ず部長に連絡すること。
「わかった。でも、友達に相談してからでもいいかな?」
私があまり期待せずに言うと、
「いいよ。いつに行っても、同じだから」
と言って悲しそうな笑顔を見せた。
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