記憶と共に幽霊と。
明が来たのは10分後ぐらいだった。
明は個人的に幽霊と話をして
「この子は平気だよ。普通の幽霊だ」
と言った。
普通の、と付いたのは悪霊もいるってことだ。
私はまだ会ったことがないけど、人に害を与えた幽霊が悪霊に分類される。
「じゃあお母さんに伝言を伝えてもいいの?」
私が明に聞くと、明はうーんと唸りながら
「できれば止めとけって言いたいけどさ…。明日香は止めないだろ?」
諦めたような表情でこちらを見る。
うんと頷くと明は乱暴に私の頭を撫で、
「危険なことは絶対にしないこと。いいな?」
と言って許可してくれた。
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