記憶と共に幽霊と。

次の日、明とひかりはずいぶんと先に学校に来ていたらしく、教室には鞄しか置いてなかった。
｢どこに行ったんだろ…二人とも……｣
目星はついている。おそらく、部室にいるのだろう。
様子を見に行ってもいいけど、面倒なのでそのまま教室で待っておくことにした。

二人が帰ってきたのはSHRまであと10分といった時間だった。
｢あ！おはよう明日香！部室の新聞を読みあさったんだけどね、こんなのしかなかったよー｣
ひかりがそう言いながら古い新聞記事を私に見せる。
地方欄に小さく載る殺人事件。空き巣に入った何者かが留守番をしていた五歳の男の子を殺害し、逃亡したと載っていた。
当時はまだ、捕まっていないと書かれている。
｢これが…渚くんの事故だと思うの？｣
大体読み終わった私が疑問をぶつける。
凶器が書かれているわけでもないし、空き巣と断定したのも不思議だ。