記憶と共に幽霊と。

購買のミルクティー

部長は結局私たちが知っていた情報しかくれなかった。

男の子が何者かに殺されたこと。
部屋が荒れていたこと。
目撃者がいなかったこと。

自分はあまり関わっていなかったから詳しいことは分からないの一点張りで何も答えようとしなかった。
｢どうしよう…男の子の話とは違うよね…。男の子が間違ったことを言うとは思えないし…｣
私が男の子の家に向かいながら言う。
ひかりと明は少し焦げたパイのようなものを食べながら
｢頭を打ったんだから間違って覚えている可能性もある。お母さんなら…何か分かるかもしれないけど…｣
と言って服についた食べかすを落とす。
ヘンゼルとグレーテルのように道にパラパラと落ちているが、鳥が食べているので平気だろう。
｢お母さんねー。５年前の話を今さら持ち出されたら怒るかもしれないけどさぁ…ヒステリックになりすぎじゃない？｣
ひかりが私の話を聞いて思ったのだろう。
話をしているうちに男の子の家に着いた。
家の前には男の子と、昨日少しだけ話した女の子がいた。