記憶と共に幽霊と。
お葬式や火葬、遺品整理など、大人の力を借りて、数ヵ月掛かりすべてを終了させた。
残されたのは、二人の財産である今まで住んでいた家と、沢山のお金と、未来への不安だった。
ご飯は、簡単なものならば自分で作れる。
洗濯も、手伝っていたから多少の事はできた。アイロンはまだ苦手だけど、焦がしたりはしない。
掃除も得意だ。家中、とまではいかないけれど、自分の使っている部屋ぐらいはピカピカな状態を保てる。

一人で生きていくことはできる。

でも、どうしようもなく寂しいのだ。

結局、私を引き取ると言ったはずの男性からは連絡がない。保護者になるだけで、一緒に住む気はないのだろうか。
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