悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「もしかして逢い引き? やっぱりひよちゃん彼氏いるんでしょ!?」
「違うよ! 本当にちょっと外に出たくなっただけ!」
否定するあたしを、大地はまだ怪しげな目で見ていたけど、とりあえず納得したように頷く。
「いいよ、わかった。もし危なくなりそうだったらうまく言っておくから、安心して」
「ありがとう大地~!」
ぎゅーっとハグするあたしに、「何かあったらメールしてね」とまで言ってくれた大地。
本当に気が利く、よく出来た弟だ。
おかげで少し気が大きくなって、気分良く家を出たのだった。
クリスマスイブに柳の高校へ忍び込んだ時と同じようなスリルがあって、ちょっぴりワクワクする。
最初は少しだけ散歩するつもりだったけど、やっぱりすぐには帰りたくない。
でもどこへ行こうかな……。
まだまだ寒い3月の夜の町を、行く宛てもなくぶらぶら歩く。
こんな時間に亜美の家にお邪魔するのは迷惑だし、夜の公園とかはなんとなく怖いし……。
スマホで時間を見ながら考えていると、ふと思い浮かんだ。
『たまにだけど、夜はギター弾かせてもらえるんだ』
……と言っていた、アイツの顔が。
「違うよ! 本当にちょっと外に出たくなっただけ!」
否定するあたしを、大地はまだ怪しげな目で見ていたけど、とりあえず納得したように頷く。
「いいよ、わかった。もし危なくなりそうだったらうまく言っておくから、安心して」
「ありがとう大地~!」
ぎゅーっとハグするあたしに、「何かあったらメールしてね」とまで言ってくれた大地。
本当に気が利く、よく出来た弟だ。
おかげで少し気が大きくなって、気分良く家を出たのだった。
クリスマスイブに柳の高校へ忍び込んだ時と同じようなスリルがあって、ちょっぴりワクワクする。
最初は少しだけ散歩するつもりだったけど、やっぱりすぐには帰りたくない。
でもどこへ行こうかな……。
まだまだ寒い3月の夜の町を、行く宛てもなくぶらぶら歩く。
こんな時間に亜美の家にお邪魔するのは迷惑だし、夜の公園とかはなんとなく怖いし……。
スマホで時間を見ながら考えていると、ふと思い浮かんだ。
『たまにだけど、夜はギター弾かせてもらえるんだ』
……と言っていた、アイツの顔が。