悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
◆*°……ごめんね
週末のスロースでの出来事があったおかげで、心穏やかに土日を過ごし、迎えた月曜日。
皆に挨拶しながら教室へ入り、中央あたりの自分の席に座ってバッグを開けていると、目の前に誰かがやってきた。
腕を組んであたしを見下ろすのは、どこか不機嫌そうな表情のリカ。
「リカ、おはよ」
「ひより……あなた金曜の夜はどこにいたの?」
「へ?」
突然の質問にマヌケな声が出た。
何でそんなことを聞かれるのかわからないけど、とりあえず答える。
「金曜の夜は……スロースに行ったけど?」
「へぇ……本当だったのね、あなたが大崎くんと会ってたっていうのは」
リカの瞳の温度が急激に下がったような気がしてドキリとする。
誰かからあたし達のことを聞いたかのような口ぶり……もしかして誰かに見られてた?
リカは大きく息を吐き出し、鋭い眼差しをあたしに突き刺して言う。
「ひよりがイケメンと二人で、電車の中でいちゃついてたのを見たっていう子がいるのよ。それって大崎くんのことかなと思って」
や、やっぱり! ていうか、決していちゃついてたワケではないけど!!