悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
いつの間にか教室内は静まり返っていて、あたし達のやり取りを聞いていた女子達がコソコソと話し始める。
落胆するあたしに、来たばかりの亜美がバッグを肩に掛けたまま走り寄ってきた。
「どうしたの、ひよちゃん!? 何かあったの?」
「ん、ちょっと……怒らせてしまいました」
力無く笑うあたしを、亜美は心配そうに眉を下げてリカと交互に見ていた。
*
「そっか、それで怒っちゃったんだ……」
お昼休み、屋上のベンチで朝の出来事と金曜のことを話すと、亜美は困ったように息を吐いた。
あたしも今日ばかりはお弁当を食べる手が進まない。
「でも、私はひよちゃんが悪いわけじゃないと思うけどな」
太ももの上に今日もカラフルで可愛らしいお弁当をトンッと置くと、亜美は珍しく険しい顔をして言う。
「だって、リカちゃんは柳くんのことが好きっていうか、“ギターも弾けてカッコいい”っていう形容詞がついた柳くんが好きって感じだったし」
「それはあたしも思ったけど……」
「だからアクセサリー的な感覚っていうの? お気に入りのアイテムを手に入れられなかったから、ひよちゃんに当たっただけのような気がする」
「亜美って意外とハッキリ言うよね」
落胆するあたしに、来たばかりの亜美がバッグを肩に掛けたまま走り寄ってきた。
「どうしたの、ひよちゃん!? 何かあったの?」
「ん、ちょっと……怒らせてしまいました」
力無く笑うあたしを、亜美は心配そうに眉を下げてリカと交互に見ていた。
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「そっか、それで怒っちゃったんだ……」
お昼休み、屋上のベンチで朝の出来事と金曜のことを話すと、亜美は困ったように息を吐いた。
あたしも今日ばかりはお弁当を食べる手が進まない。
「でも、私はひよちゃんが悪いわけじゃないと思うけどな」
太ももの上に今日もカラフルで可愛らしいお弁当をトンッと置くと、亜美は珍しく険しい顔をして言う。
「だって、リカちゃんは柳くんのことが好きっていうか、“ギターも弾けてカッコいい”っていう形容詞がついた柳くんが好きって感じだったし」
「それはあたしも思ったけど……」
「だからアクセサリー的な感覚っていうの? お気に入りのアイテムを手に入れられなかったから、ひよちゃんに当たっただけのような気がする」
「亜美って意外とハッキリ言うよね」