悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
理由があったらやってもいいってわけじゃないけど、嫌がらせすることを楽しむような人じゃなくてよかったと思う。

あたしは、久々にリカに笑顔を向ける。


「リカだって友達じゃん、あたし達と。こんなに堂々と意見を言い合える人、他にいないよ」

「ひより……」

「まぁ、まだ親友って呼べるほどじゃないけど?」


ちょっぴり意地悪く言うと、リカは頬を赤くして、「あなたと親友になるつもりはないわよ!」なんて強がりを言った。

ぷいっとそっぽを向くリカに笑っていると、今度は亜美が口を開く。


「……私もね、はっきり意見が言えるリカちゃんのこと、ずっと羨ましく思ってたんだ」

「亜美だって言う時は言うじゃない」

「最近はね。でも昔は本当に弱くて、誰かに頼るしか出来ない自分がすごく嫌だった」


目を伏せる亜美は、もしかして集金袋の一件のことを言っているのかな……?

黙って聞いていると、あたしを見つめた彼女は、

「ひよちゃん、ごめん!」

と、突然頭を下げた。


「小学6年生の時、ひよちゃんの集金を取ったの……本当は私なの」

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