悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
歩きながら周りを見回していると、所々見覚えがある場所があって、懐かしい感じがする。
やっぱりここ、前に来たことがある。
家族で来たんだっけ、と記憶を辿りながら歩いていると、柳は上に伸びている螺旋状の階段の前で足を止めた。
「はい、上ってー」
「え」
上れって……もう暗くなってきて足元見えづらいし、古びたむき出しの鉄骨がなんか心許ないんだけど。
「別に怖くないって。ほら、行け」
促されたあたしは、ためらいつつ渋々階段を上っていく。
ぐるぐると回りながら進み、てっぺんに到着すると。
目に映る景色に、少しだけあった不安は一気に消え去った。
「わぁ……すごーい!!」
一面に広がるのは、宝石を散りばめたような綺麗過ぎる夜景。
白、黄色、赤、青……家やビルのいくつもの光がキラキラと輝いている。
遮るものは若干の木だけで、180度見渡せるここは展望台だったんだ。
「な、とっておきの場所だろ?」
「うん……! 本当にすごいね!」
手すりに掴まって興奮しながら見下ろすあたしを、柳は満足げな顔で見ていた。
やっぱりここ、前に来たことがある。
家族で来たんだっけ、と記憶を辿りながら歩いていると、柳は上に伸びている螺旋状の階段の前で足を止めた。
「はい、上ってー」
「え」
上れって……もう暗くなってきて足元見えづらいし、古びたむき出しの鉄骨がなんか心許ないんだけど。
「別に怖くないって。ほら、行け」
促されたあたしは、ためらいつつ渋々階段を上っていく。
ぐるぐると回りながら進み、てっぺんに到着すると。
目に映る景色に、少しだけあった不安は一気に消え去った。
「わぁ……すごーい!!」
一面に広がるのは、宝石を散りばめたような綺麗過ぎる夜景。
白、黄色、赤、青……家やビルのいくつもの光がキラキラと輝いている。
遮るものは若干の木だけで、180度見渡せるここは展望台だったんだ。
「な、とっておきの場所だろ?」
「うん……! 本当にすごいね!」
手すりに掴まって興奮しながら見下ろすあたしを、柳は満足げな顔で見ていた。