悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「この展望台見付けたのは、友達と遊んでた中学ん時でさ。今度誰か連れて来るなら、ひよりにするかなーなんて思ったんだけど」
夜景を眺めながら言う柳の横顔は、いつもに増してカッコ良く見えてドキッとする。
今の、何気なく言われた言葉にも。
「おじさんには近付くなって言われたし、お前も女子校なんか入っちまうし。どうせもう会わないだろうから、無理だなって諦めてた」
……そんなふうに思ってたなんて。
嬉しいけど、その時の柳の気持ちを考えると、やっぱり切ない。
「でも不思議なもんだよな。またこうやって会えてるなんて」
「うん。ほんとくされ縁だよね、あたし達」
そうは言ったけれど、やっぱりあたしはただのくされ縁だと思いたくないよ。
そんな、荒っぽい関係だと思いたくない。
「昔はいじめたり、からかったりしてばっかだったけどさ。もしもう一度会えたら、その時はひよりの力になってやりたいと思ってたんだ。
だから今回の進路のことも、俺も協力するから心配すんな」
力強い眼差しがあたしを捉え、胸が熱くなる。
どうしてあたしなんかのために、そこまでしてくれるの──。
夜景を眺めながら言う柳の横顔は、いつもに増してカッコ良く見えてドキッとする。
今の、何気なく言われた言葉にも。
「おじさんには近付くなって言われたし、お前も女子校なんか入っちまうし。どうせもう会わないだろうから、無理だなって諦めてた」
……そんなふうに思ってたなんて。
嬉しいけど、その時の柳の気持ちを考えると、やっぱり切ない。
「でも不思議なもんだよな。またこうやって会えてるなんて」
「うん。ほんとくされ縁だよね、あたし達」
そうは言ったけれど、やっぱりあたしはただのくされ縁だと思いたくないよ。
そんな、荒っぽい関係だと思いたくない。
「昔はいじめたり、からかったりしてばっかだったけどさ。もしもう一度会えたら、その時はひよりの力になってやりたいと思ってたんだ。
だから今回の進路のことも、俺も協力するから心配すんな」
力強い眼差しがあたしを捉え、胸が熱くなる。
どうしてあたしなんかのために、そこまでしてくれるの──。