悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
しかし、その子は同じクラスの不良グループの男子が好きで。

やめておいた方がいいという周りからの忠告を無視して、付き合い始めた。

……が、結局いいように遊ばれて、傷付いて終わったらしい。


「……それで、悪いオトコのレッテルを貼られた俺から、ひよりを離そうとしてたわけ?」

「まぁそんなとこ。久々にひよりちゃんに会ったら、その子とのことを思い出して……たぶん、彼女と重ねて見てたんだ」


もうとっくに終わったことなのにね、と言って嘲笑する秋史。

まさか、そんな理由からだったとは。単純にひよりのことが好きなんだと思っていた。

片想いの子と重ねて見てただなんて、その子への想いは本気だったんだろう。


「……秋史って非の打ち所がないと思ってたけど、意外と女々しいとこあるんだな」

「完璧な男はつまらないだろ?」


開き直って茶化す秋史に、俺も笑ってしまった。


「“本物の恋愛感情じゃない”ってのはそういうことか」

「でも、昔からひよりちゃんのことは人一倍可愛く思ってたし、大事なことに変わりはないから、悲しませるようなことはしないでくれよ?」

「何様だよ」

「一教師と、良きお兄ちゃんとしてってとこかな」

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