悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
◇*°好きだよ


柳とお父さんが和解してくれたことで、あたしはかなり気持ちがラクになったせいか、テスト勉強もはかどった。

結果は全体的に前よりも良くて、お父さんも満足してくれたみたい。


テストが終わるとさっそくフライヤーの仕上げをして、なんとか納得いくものが出来上がった。

ギターを前面に押し出しちゃったのは、やっぱりあたしの中で柳の存在が大きいことを意味しているんだと思う。

色を塗ろうかとも思ったけど、モノクロの方がカッコいい気がして、あえてそうした。


出来上がったものを、恥を忍んでお父さん達に見せると。


『す……す、すごいじゃないか、ひより!! お前はこんなものが描けるのか! 売れるぞこれは!』


……と、うるさいくらいベタ褒めしてくれて、これで少しはあたしの実力を認めてもらえたかな、なんて思っている。

今まで言えなかったけど、今度お父さんからパソコンを借りて、ずっと興味があったデジタル絵に挑戦してみたいな。


それはさておき、ユアフールの皆にも気に入ってもらえたみたいだし、とりあえず一安心。

あとは、文化祭の当日を迎えるのみだ。


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