悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
『でさ、お前来週の水曜は何か予定ある?』
突然聞かれてキョトンとするあたし。どうやら本題はこれらしい。
来週の水曜はクリスマスイブだ。寂しいことに、特に予定はない。けど。
「え……水曜って、何で?」
『俺らが部活やるの、その日が今年最後なんだよ。あ、お前はバンドなんて興味ないか?』
あぁ、例のギターの練習風景を見に行くって話ね。
あたしだって一応、柳がどんな姿でやっているのか興味はある。
「そんなことない、見たいよ。でも、さっきもう年内はやらないって言ってなかった?」
『あれはスタジオでの話。部活は高校でやるから、見に来いよ。お前オンリーで』
“お前オンリー”? ……って!
「あたし一人で来いってこと!? なんで!?」
『一番先に見せたいんだよ、ひよりだけに』
──きゅうっと、胸が鳴き声を上げた。
喉の奥まで締め付けられて、声が出てこない。
『なんとなくな』と、ゆるい感じで言う柳だけど。
“ひよりだけ”なんて言われると、特別扱いされているようで……悪い気分はしない。
『嫌?』
「や、じゃない、けど……他校のあたしなんかが入り込んだらダメでしょ?」
突然聞かれてキョトンとするあたし。どうやら本題はこれらしい。
来週の水曜はクリスマスイブだ。寂しいことに、特に予定はない。けど。
「え……水曜って、何で?」
『俺らが部活やるの、その日が今年最後なんだよ。あ、お前はバンドなんて興味ないか?』
あぁ、例のギターの練習風景を見に行くって話ね。
あたしだって一応、柳がどんな姿でやっているのか興味はある。
「そんなことない、見たいよ。でも、さっきもう年内はやらないって言ってなかった?」
『あれはスタジオでの話。部活は高校でやるから、見に来いよ。お前オンリーで』
“お前オンリー”? ……って!
「あたし一人で来いってこと!? なんで!?」
『一番先に見せたいんだよ、ひよりだけに』
──きゅうっと、胸が鳴き声を上げた。
喉の奥まで締め付けられて、声が出てこない。
『なんとなくな』と、ゆるい感じで言う柳だけど。
“ひよりだけ”なんて言われると、特別扱いされているようで……悪い気分はしない。
『嫌?』
「や、じゃない、けど……他校のあたしなんかが入り込んだらダメでしょ?」