悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
「相模にサブちゃん、おはよ」

「おーさすが準備が早い!」

「二人ともおはよう」


柳と涼平くんが中へ入ると、相模くんが爽やかな笑みを見せる。

わいわいと話し始める男子陣の後ろに、そろりそろりと遠慮がちに入るあたし達。


「すごい……スタジオってこんな感じなんだ」

「それに皆、想像以上にイケメンだわ! 一人だけなんかすごく人相の悪い人がいるけど」


亜美はぽーっとしながら辺りを見回し、リカはメンバーを観察している。

そんなあたし達の方を、柳がくるりと振り向いた。


「えーと。この子達が左から、ひより、藤沢、リカちゃんね。うちのメンバーの紹介は相模くんお願いします」

「またかよ」


あたし達をざっくり紹介してから、片手を出してどーぞと頭を下げる柳に、苦笑を浮かべる相模くん。

あの時と同じようなやり取りに、あたしは一人笑ってしまった。


それから、この間のように相模くんがユアフールの説明をしてくれて、亜美もリカもふむふむと聞いていた。

でも、やっぱり皆が真剣にスタンバイし始めると、あたし達お邪魔じゃないかなって心配になってくる。

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