悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~
ぎゅっと膝の上で手を握り、そこまで一気に話した亜美は。

ゆっくり顔を上げ、恐る恐る4人の顔を見回して言う。


「リハビリ、させてください……」


──きゅん。

って、あたしが胸キュンしてどーする!

でもだって、可愛いんだもん亜美!

丸みを帯びたボブの髪の毛がよく似合う小さな顔、さらには上目遣いでこんなお願いをされたら、たまらないでしょーよ。


いや、それより。

亜美が男嫌いを克服しようとしてるなんて、ものすごい進歩だよ!

なんだか感慨深い気持ちになっていると、柳が安堵が混じった息を一つ吐いて微笑む。


「藤沢は繊細なんだよな。ひよこと違って」

「悪かったわね、図太くて」


一言余計だっつーの。

据わった目で柳を見ていると、亜美の前で涼平くんが納得したように頷いた。


「そっか、そういうことかぁ……」


力強さを感じる綺麗な瞳で、亜美をまっすぐ見据える彼。


「俺こそゴメンね。でも、もう亜美ちゃんを怖がらせたり、不快な想いにさせるようなこと、俺達は絶対しないから」

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