私と金髪と秘密の教室。
「……い。おい。桜田!!」
ビクッ!
私はその声で飛び起きた。
『キャッ!!』
目の前には机に肘をついてる金髪の男。
「キャッ!じゃねぇよ。んなとこで何してんの?委員長がいねぇって、クラス大騒ぎになってっぞ。」
そりゃそうだよね。
『……そう。いいの。皆、ちょっとは困ればいいのよ!』
「ふっ。あんたそんなこと思ってたんだ(笑)意外。でも皆、まさか委員長がただサボってるだけだなんて思ってないだろうからな。今頃、親とかに連絡いってたりして〜。」
そう言ってニヤッと笑った。
『え…。そ、そこまで考えてなかった。
それはマズイな。』
宮井陵。
同じクラスの問題児。
見た目は校則丸無視。ピアスに金髪、ケツの見えそうな腰パン。
ほとんど授業には出てないし、どうやって3年まで進級してきたのか。
ただ、確かにテストの順位は悪くない。
というか、良い。
ちなみに1回だけ負けた。屈辱だ。
つくづく不思議な男。
関わりたくない人No.1。
「でも、もう授業30分以上過ぎてんぞ。
今更だろ(笑)」
『そ、そうかもしれないけど!』
そんなことはわかっている。
けど、とりあえずこの人と2人っきりでこの空間にいたくない!
『宮井くんの特等席で勝手に寝てしまってすみませんでした。では、失礼いたします。』
とにかくここを出よう。
もう、極寒の屋上でいいや!
そう思って立ち上がった。