Sting


人事部のフロアは他に財務部とか経理部とかも入っていてスタッフ部門のフロアになっている。それぞれ機密文書を多く取り扱うこともあって、セキュリティが厳重かつ一つの課ごとに部屋が割り振られている。採用担当課と研修課は隣同士だから行ったり来たりすることになりそうだ。


朝礼から帰ってくると、デスクが振り当てられた。


『水瀬、倖村さんと同期だろ?簡単に社内案内頼んで良いか?』

『良いですよ。あ、倖村さん。一応同期の水瀬です。宜しく。』


デスクが隣の水瀬さんは高身長でただのイケメン、というのが第一印象。笑った顔が爽やかで人当たりがよさそうな感じがする。


「すみません、業務中に。倖村です。宜しくお願いします。」

『一応同期だから、敬語は無しで大丈夫ですよ。』


ニコニコと笑う彼のあとに着いて、社内を案内してもらう。自社ビルで、30階建てだからまさか全フロアを案内してもらうわけにはいかないので、重要な部署だけ。


『倖村さんはずっと海外?』

「高校卒業以来はずっとかな。」

『凄いなぁ、』


そんなことを言う彼も国内最高学府を卒業してるって永澤さんが言っていたから、きっとエリートなんだろう。


一通り案内してもらって、最後に秘書課とか経営戦略室のある1つ上の階を案内してもらった。
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