Sting


直感だけど、この人たちとなら仲良くやっていけそうな気がした。郁巳さん改め莉緒とは連絡先も交換して、改めて同期で歓迎会を開いてくれるという話をして仕事に戻った。


1月ともなれば、12月に解禁された就活から1ヶ月ということもあって、4月からの面接に向けて部内はあわただしい雰囲気が漂い始めている。


仕事始めともあり、合同説明会や採用についての会議がいくつも設定されていて、その合間は資料作成に追われる。


日本の就活については、帰国する前に勉強してはいたけれど、実際に触れてみないと分からないことも沢山。それからは説明会やOB訪問、筆記試験の対応に追われて、とてもめまぐるしい日々を過ごした。


4月に入社する新入社員の研修にも参加することになっているから、そちらの仕事も重なって、まともに休みが取れないまま2月を迎えた。


そんなある日、定時後に仕事をしていたけど集中力が切れて、フロアにある休憩室でコーヒーを飲んでいると、休憩室のドアが開いた。


『ゆきちゃん!』

「あ、莉緒。久しぶり。」

『ホントだね。忙しいでしょ?お疲れ様。』

「水瀬も休みが無くて、寂しいでしょ?」

『もう、ゆきちゃんすぐからかう。』


あれから何度か莉緒とはご飯に行って、時々水瀬も交えて飲みに行って、いつしか仲良くなった。莉緒と水瀬はいわゆる幼馴染で、付き合い始めたのは社会人になってから。


もうお互いの両親にも挨拶済みで、結婚するのも後はタイミング次第らしい。お互いを信頼して尊重して、本当に良いカップルだなぁと勉強になる。

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