年下彼女
『嘘・・・』
私の捜し求めていた、
形見のピアス。
命の次に大切な、
私のピアス。
「亜季、良かったじゃん!
あ、先輩それ、亜季のです!!」
奈津の声も、何も聞こえなかった
嬉しさで私の目には、涙が浮き出てきた
「良かった。
大事な物だったんだ」
先輩は、私の耳にそっと
そのピアスを付けてくれた
『あ・・・ありがとうございますッ・・・』
震える声を抑えながら、精一杯の感謝の気持ちをこめて先輩にお礼を言った
「いえいえ、じゃあまた。」
遠ざかる彼の姿を、
私は見えなくなるまで
見つめていた