Serendipity(セレンディピティ)
………
「なによ、ここ…」
強い力で腕を引っ張られ、連れられてきたのは、店の方向にある
人通りの少ない裏路地だった。
深夜の1時はとっくにすぎている。
裏路地を抜けたネオン街にも
人通りはまだあるものの、やはり人数は減っている。
コンクリートの壁に押し付けられる。
そして。
「出てきていいよー」
目の前の男が声を上げると
「…っ!?!?」
角から厳つい男たち5人がこの裏路地に入ってきた。
「…な、なにするの…」
「苦しいのはちょっとだけだからね〜」
その後のことは、記憶が薄らで
あまり覚えていない。
ただただ、痛くて、苦しくて、
涙を久しぶりに流した夜だった…。