Serendipity(セレンディピティ)


「ふふっ、もう慣れたから平気だよ。ハクは何歳?」


「…23。…まゆ、お前、辛かったな。」



「えっ、」


そう言うと、ハクはそっと優しく、
わたしの頭を撫でてくれた。


その手は、大きくて優しくて、温かかった。




「……別に…平気だよ…」




店の窓の外には、ちらほらと通行人が通り始めているのが見えた。


店の時計を見ると、もう朝の8時だった。





「あ、そういえばこれ…」


よく見ると、腕や太もも、足にはいくつもの湿布や包帯が巻かれていた。



きっとアザで酷かった部分を、
ハクとおじさんが手当てしてくれたんだろう。




「……って…。…ちょ!太ももも!?えっ、」


「ああ、太もももアザ凄かったぞ。本当、無理するな。」



「いやいやいや、そうじゃなくて!…み、見たでしょ…」


「何が?」


結構、スカートの下のこの包帯、太ももの上の方まで巻かれてある。



「……未成年の女子のパンツ見るとか変態!!」


「おい、俺は何も言っていない。」



「じゃあ見てないの!?」


「…見てないと言ったら嘘になるが。見えてしまってはいた。」




「同じじゃない!!!!」



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