Serendipity(セレンディピティ)


こんな、人とのやりとり、会話、いつぶりだろう。


何年も、会話をするのはほぼ仕事だけだった。

あとは全部独り言。



わたしは今までどんな生活を送って来ていたのか、
今になって当たり前だったものが
寂しい思い出に塗り替えられて行く。





「それよりまゆ。腹減っただろう。朝食用意してやるから待ってろ。」


「…え、いいの…?朝ごはんなんて…何年ぶりだろう…」



「…いつも食べてないのか」


「うん、食べないのが習慣になってたのかも。」



「………」




「あ、テレビがある!ハク!つけてもいいー?」


「どうでもいいがそれよりその呼び方変えてくれないのか」



「変えなーい。」




"ハク"


素敵な人に、出会った。


優しくて、温かい人。




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