Serendipity(セレンディピティ)
「…ここがお前のアパートか…何と言うか…古いな…」
「失礼ね。」
「………」
「ここまで、ありがとう…。」
「……1人で寂しい時は、いつでも店においで。いつでもいるよ。」
「ありがと、ハク…。」
わたしは再びお礼を言い、
アパートの外にある階段を登った。
「………、」
階段の錆びた手すりを持ち、
ゆっくりと上がる度に
昨日の記憶が頭の隅で蘇ってくる。
「……っ、」
昨日の5人組。
いつ、またわたしを襲って来るのだろうか。
わたしは…またあそこで働いても…いいのだろうか。