放課後の教室
「杉原ってさぁ...」
突然蒲登原が動かしていた手を止めた
「好きな奴っているの?」
蒲登原は勉強してる時みたいな真剣な顔で私の顔を覗く
「えーと...いるよ」
私は正直に答えた
「でも...その人には好きな人がいるから」
「そっか...」
蒲登原はそれだけ言ってまた手を動かす
「蒲登原は...いるの?」
私はこの質問の答えを知っている
でも...少しでも希望があるのなら...
その希望はすぐに打ち砕かれた
「うん、いるよ
高1の時から」
あぁ...
「そっか...」
そうだよね...
いるって分かってるのに聞くのは正直苦しくて
私は泣くのを我慢するしかなかった