【壁ドン企画】騒がしい同期を黙らせる方法
対処法は不意打ちのキス



「おはよう!
今日も可愛いね伊織ちゃん!」



ピリピリとした緊張感のあるオフィスを
切り裂いた鬱陶しいほど明るい声。




…来た来た。
今日も律儀に朝一で。



眩しい笑顔、明るい声、
大きすぎる声でおはようと言った
そいつは、今日も出勤して一番に
私に声をかけてきた。




うわ、すごい笑顔で、こっち見てる。
なに?おはようを返せって?

誰が好き好んで大嫌いなやつに
挨拶するのよ。



私は隣でニコニコと笑うそいつに
なんの反応も見せず、無表情で
キーボードを叩く。




カタカタッ


「え、伊織ちゃん無視?」



カタカタッ



「いーおーりー。
俺、伊織の可愛い声が聞きたいんだけどなー」





無視無視!
こういうときは無視に限る。
反応すると、こいつはすぐに調子にのる。





「あ、伊織ちゃんシャンプー変えた?
俺こっちの方が好きかも」



そう言ってなんの躊躇いもなく、
私の髪をすくいとり、
嬉しそうに匂いを楽しむそいつ。





…こいつ、黙ってても調子にのるの
忘れてた。

って言うかここ職場なんですけど!
みんな見てるんですけど!?






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