ルイナス
「行き倒れていた人間なんか連れて来るなよ。ミミ。」




「だってあのままにするのも何だか‥‥‥ねぇ。」





「じゃあこいつどうするんだ?異国の人間かもしれんぞ。見たことのない服装をしているしな。」




男と女の会話が聞こえる。

女の声は聞いた事があるような‥‥。




「あっ!起きた!?」




俺は目を開けた。


今度は意識がはっきりしている。


女は笑顔で、男は不満げに俺を見ている。



「お前、名は?どこから来た?」



男は低い声で俺に聞く。


「シン・タリナー‥‥です。アスゲレタ国の中央都市から来た‥‥。」




「アスゲレタ国って‥‥!?隣の国!?」


女は驚いた声で言う。


ん?


んん?




えっ‥‥!?じゃあここは一体‥‥?





「あなた、何の用でこの国に来たの?」



いや‥‥、ちょっとまてよ‥‥。


俺、確かに学校に居たよな?


移動の魔法を使った覚えもない。



「俺‥‥、気付いたらここに居て‥‥、ここは何処なんだ‥‥?」


女と男は顔を合わせる。



俺は頭がボーっとしていまいち現状が把握出来ない。




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