喪失
第三章 再会
捜索
それから一か月、一生懸命バイトしたんだよ。
授業も、休まなかった。
春次郎さんと約束したから。
そして、一か月たったある日、私は特急列車に乗っていつもの駅に向かった。
もう一度、春次郎さんに会うために。
駅から、この間、春次郎さんを待ち続けたエスカレーターの下を抜ける。
切ない思い出が胸に蘇ってきて、泣きそうになるけれど。
それでも私は、泣かなかった。
泣いたら、春次郎さんにもっとよくないことが起こる気がして。
当てがあったわけじゃない。
私は、微かな記憶を頼りに、春次郎さんの家を目指した。
11月のライブの後に、打ち上げをするために向かった春次郎さんの家。
結局、家を飛び出してしまった、苦い思い出がある。
あの日は、真っ暗だったし、みんなについて行ったから。
土地勘のない私には、ちっとも分からない。
だけど、いつも手紙の裏に書いてある住所を頼りに、春次郎さんのアパートを探した。
電信柱に書いてある番地を確認したり、道行く人に尋ねたり。
一生懸命探した。
きっと、きっとそこに、春次郎さんにつながる手がかりがあると信じて―――
授業も、休まなかった。
春次郎さんと約束したから。
そして、一か月たったある日、私は特急列車に乗っていつもの駅に向かった。
もう一度、春次郎さんに会うために。
駅から、この間、春次郎さんを待ち続けたエスカレーターの下を抜ける。
切ない思い出が胸に蘇ってきて、泣きそうになるけれど。
それでも私は、泣かなかった。
泣いたら、春次郎さんにもっとよくないことが起こる気がして。
当てがあったわけじゃない。
私は、微かな記憶を頼りに、春次郎さんの家を目指した。
11月のライブの後に、打ち上げをするために向かった春次郎さんの家。
結局、家を飛び出してしまった、苦い思い出がある。
あの日は、真っ暗だったし、みんなについて行ったから。
土地勘のない私には、ちっとも分からない。
だけど、いつも手紙の裏に書いてある住所を頼りに、春次郎さんのアパートを探した。
電信柱に書いてある番地を確認したり、道行く人に尋ねたり。
一生懸命探した。
きっと、きっとそこに、春次郎さんにつながる手がかりがあると信じて―――