真夜中のパレード
たくさんのチューブに繋がれ、
入院前より明らかにやせ細って小さくなった
母の身体を見ると自然に涙が流れてきた。
「お母さん。
お願い、起きて」
入院したばかりの時は、まさかこんな状態になるとは
思わなかった。
母はずっと実家に住んでいたけれど、
半年ほど前仕事中に倒れたと聞いて
何度も一緒に住もうと誘っていた。
父親は早くに亡くなっていて、
具合の悪い母を一人きりにしておきたくなかった。
きっと気づかれないように、
自分に負担をかけないよう、
ずっと無理をしていたのだろう。
けれど何か予感でもあったのか、
ある日突然透子の部屋に泊まりにきた。
「たまには観光もいいかと思ってね」
そんなことを言いながら、遊びにきたのだ。
数日泊まっていて、その時は普通に見えたけれど
夜に水を飲もうとして、コップを落とした。
手が痺れて、言うことを聞かないらしい。