真夜中のパレード
「それと、言い方が悪くて、
色々誤解させてすまなかった」
上条は少し照れたように言葉を重ねた。
「え?」
「この間木本と揉めてた時、
きちんとフォローしてやれなかった」
透子は胸にあたたかい物が満ちるような気持ちになった。
「いえ、私がどんくさいだけですから」
会社にいる時の彼は、
天音といる時と違い少し表情が硬い。
……けれど、
それでも透子には彼の姿が愛しいと思えた。
どんな彼でも、
近くにいられれば、それだけで嬉しかった。
「俺はいつも無愛想だから、
なかなか意見を言いづらいかもしれないけれど」
「いえ、そんなことは」
透子は頬を緩め、自然に微笑んでいた。
「いいんです。
上条さんが優しい人だって、知ってますから」