真夜中のパレード


「これから何か予定はあるか?」


「これからですか?」


透子は少し考えた後、
首を横に振った。


「いえ、特に何もありません」


上条は少し心配そうに問いかける。


「病院は、今日は行かなくていいのか?」


透子はそれに笑顔で答える。



「はい、昨日ゆっくりお見舞いに行って来たので。

今日はそのまま帰ろうかと」

上条は少し迷った後、
透子に問いかけた。



「もしあれだったら、
夜何か食べに行くか?」


透子は驚いて上条をじっと見上げた。


「え……っと」



最近の上条さんは、
何だか本当に珍しいことをよくする。


まずそこまで怒ったような顔をしなくなったし、
口調も前より優しくなった気がする。


天音といる時の彼の面影が感じられるようで、
少し嬉しい。

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