真夜中のパレード
看護師が慌ただしく行き来する。
開いた扉の向こうで、医師や看護師が
何か処置をしているのが見えた。
そして、一瞬
ベッドにすがりついて顔を埋め、
泣きじゃくる透子の姿も目に入る。
弾かれたように椅子を立った。
……けれど、どうしていいのか分からず、
結局そのまま立ち尽くした。
カラカラと、
扉がゆっくり閉まっていく。
上条は下に俯き、
手のひらをきつく握りしめた。
ここに来たって
何も出来ないのは、最初からわかりきっていた。
けれど、彼女が泣くのを
ただ離れた所から見るしか出来ない自分が、
とてつもなく無力に感じた。
今、自分は何が出来るだろう。
無力な自分が歯がゆくて、
どうしようもなかった。