真夜中のパレード
少し下を向くと、
ぽろぽろと雫が流れる。
目の前の光景は、もう白くぼやけて何も見えない。
「あ、あの、でも……」
唇が震えて、うまく言葉にならない。
「で。でも、すぐ、立ち直らないと」
ずっ、と鼻をすする。
泣くのをやめようとするけれど、
涙はあふれ、
ひどくなる一方だった。
「わ、私、いつも、色々、迷惑を、かけて……。
葬儀の手続きとか、死亡届けとか、あ、これは、上条さんに関係なくて……
お葬式があるから、
仕事も何日も休むことになるし……」
少し強い口調で、上条がそれに答える。
「仕事は!」
「は、はい」
それから語調を弱め、押さえた声で告げられる。
「お前の変わりに出来る人間がいる」
「は、い……」