真夜中のパレード
どうして?
仕事が終わると、二人はげっそりした顔で
タクシーに乗った。
今日宿泊するホテルに向かうためだ。
「疲れただろう?」
上条に話しかけられ、
薄く微笑む。
「普段デスクワークばかりですから、
確かにちょっと疲れたかもしれません」
車は十分ほどでホテルに到着した。
ロビーでチェックインをすませ、
互いの部屋がある階までエレベーターで上がる。
「俺は503号室だから」
「私は504ですね」
鍵を確認し、透子は廊下で上条に頭を下げる。
「今日はお疲れ様でした。
それでは上条さん、明日の仕事は
予定通りで大丈夫ですよね?」
明日の確認をし、
さっさと部屋に入ろうとする透子に焦り
上条は小さく咳払いする。
「あぁ、明日は特に変更はないが……
今日の仕事は片付いたし、
夜、一緒に食べに行かないか?」
これから何か予定があるということもないだろう。
当然同意してくれる物と思って声をかけた。
しかし予想に反して、
透子の答えはつれない物だった。