真夜中のパレード
☆
上条は怯えきっている彼女が気の毒になった。
かわいそうに、まだ小さく身体が震えている。
「あの、もしよろしければ近くまでお送りしますが……」
「え?」
そして透子の顔を見た瞬間、言葉を失った。
「あの……?」
透子は突然黙りこんだ上条をじっと見上げた。
一方上条はというと、別の驚きで倒れそうになっていた。
彼は今まで透子の顔をはっきり見ていなかった。
ただ絡まれていて放っておけなかったから声をかけただけで、それ以上の情報はなかったしはなから頭に入れる気もなかった。
しかしひとたび彼女を見ると、彼女の透き通った真っ白な肌から目が離せなくなった。