真夜中のパレード
これが自分の望んだ結末だ。
覚悟はもう出来たと思っていたのに、
胸が潰れるように痛んだ。
靴のつま先にぎゅっと力を込める。
それともこの痛みにも、やがて慣れるだろうか。
母親が亡くなって悲しかったけれど、
いつの間にか日常に順応できているように。
彼を見ても、やがて何も感じなくなるだろうか。
彼を見ても、
やがて何も感じなくなるだろうか。
会社で彼が仕事をするのを見ても、
彼の隣を歩いても、
いつか彼は他の女性を好きになっても、
平気になるだろうか。
上条さんを愛しいと思った感情は、
最初から存在しなかったように、
いつか消え失せて泡のように
はじけてなくなってしまうのだろうか。
もしそうだとしたら。
それは今痛みを感じているよりも、
もっと悲しいことだと思った。