真夜中のパレード
「ううん。
冬馬といると、私は弱音を吐けた。
辛いことがあっても、
冬馬には隠さずに話すことができた。
誰にも言えないことも、冬馬には話せた。
冬馬がいるってだけで、私は本当に心強かったよ」
そこで透子は眉を寄せる。
「……だから私、冬馬に頼りすぎてたよね」
冬馬は頬杖をつき、窓の外を見つめたままだ。
「それがどんなに冬馬のことを傷つけてるのか、
分かってなかった。
もう、それもやめるから」
机の下で、そっと手を握りしめる。
「これからはちゃんと一人でも、
歩いていけるようにするから」
そして彼に向かい、小さく頭を下げた。
「だから、やっぱり私、
冬馬の気持ちには応えられない。
……ごめんね」
冬馬はいたたまれないように、
金色の髪をかきあげた。
「冬馬が好きだって言ってくれたの、
嬉しかったよ。
でも、私、やっぱり気持ちは変わりそうにないや。
今日はそれをきちんと伝えないとって思って」
「……あいつが好きだからか?」
「うん」