真夜中のパレード
cherry blossom
「おはよう、透子」
「ん……?」
隣で優しい声が聞こえ、はっとしてベッドから飛び起きる。
「仕事っ!」
「今日は土曜日だぞ」
「あ……そ、っか」
透子はほっとして肩の力を抜く。
すぐ横で寝転んでいる上条が、透子の細い髪を撫でた。
「だいぶ長くなったな。
天音さんぽくなってきた」
そう言われ、透子も自分の髪を見つめる。
「長い方が好きですか?」
「そうだな、どちらかと言うと長い方が」
上条は機嫌が良さそうに、
透子の背中にキスを落とした。
「……っ、くすぐったい」
「美人は三日で飽きるっていうけど、
透子は何度見ても飽きないな」
自分が服を着ていないのを思い出し、
布団をたぐり寄せる。
「あんまり見ないでください」
彼の厚い胸板が目に入り、顔が熱くなる。