真夜中のパレード
☆
一方透子は透子で、彼女も必死に考えを巡らせていた。
とにかくまず第一に、違和感。
自分の知っている上条と違う。
一番の違いはというと、普段の上条はもっと無愛想なのだ。
あまり笑わないし、どことなくつまらなそうだし。
あまり自分の顔も見てくれない。
それが今日の上条は、どうにも愛想がいい。
こうやって笑っているのは苦手なのだろうな、とひと目で分かるのだけれど、それでも必死に笑顔を作って懸命に話そうとしているのがひしひしと伝わってくる。
普段は確実に聞き役なのに、今の上条はなんとか会話の糸口を探そうとしているように見える。
意外にサービス精神の旺盛な人なのかしら。
……うーん、ないな。