真夜中のパレード


透子はドキドキしながら布団に入った。

すぐ側に、上条がいる。


ちらりと顔を覗き見ると、目を閉じていた。

もう寝てしまったのだろうか。

彼が何もしない、という言葉を守ってくれたのが嬉しかった。


そして、上条の家にいることが唐突に不思議だなぁと思った。
つい最近までほとんど話したことがなかったのが、嘘みたいだ。



見慣れない天井を不思議な気持ちで見上げ、それから今日一日のことを思い出す。



――楽しかった。



いつもと違う部屋で眠るのは何だかドキドキして、明日が楽しみで。


まるで修学旅行の夜みたいだ。


そんなことを考えながら、いつの間にか心地よい眠りに落ちていた。


< 85 / 307 >

この作品をシェア

pagetop