課長が私に恋してる?
「ダブルベッドなのか?」
寝室に入って琴子のベッドを見た如月は驚いたような声を上げた。
「いえ、セミダブルです。私、広いベッドの方が好きなのでこれだけは譲れなくて、ちょっと高かったんですけど大学のときバイトで貯めたお金で買っちゃったんですよね」
白木模様の広く大きなベッドは琴子のお気に入りだった。
真っ白なシーツに、ふわふわの布団が一枚とその上に繊細な刺繍が入ったこれまた真っ白な布団カバーに包まれた羽布団がもう一枚。
ちなみに寝室は間接照明にもこだわっていて、淡い橙の光に照らされた室内は広くはないものの統一感がある。
たまにアロマを焚いていることもあってか仄かにラベンダーの香りが漂う。
「わりとこだわってたりするのか?」
部屋のことを聞かれ、得意げに琴子は鼻を膨らました。
「ふふん、よくぞ聞いてくれました!私にとって睡眠は何よりも幸せな時間なのでお金は惜しみませんでしたよー!あ、寝室用に小さいプラネタリウム投影機もあるんですよ、やってみます?」
「………い、いや…」
若干引き気味の如月に琴子は頰を膨らませて、じゃあまた今度ですね、と言うと如月はほんのりと目元を赤らめる。