課長が私に恋してる?
ちなみにまだ業務時間中ですよ、と付け加えたい。
しかし、じっと見下ろされて、琴子は視線を彷徨わせる。
なにがどうしてこうなった。
「あの、課長……。ここ、職場なので」
そっと離れるように押してみるもビクともしないから離れる気はさらさらないらしい。
困ったように顔を上げる琴子を見て、如月はさらに仏頂面になって。
「今日も行きたいのだが」
そんなふうに琴子を求めた。
じっと、飢えた高校生みたいなある種の熱を孕んだ瞳に。
ほんとに添い寝だけですよね、と問おうかと思ってやっぱり止めた。
だから代わりに。
「えと、課長いったい週何回うちに泊まる気ですか」
そう少しだけ呆れたような声を滲ませると、
「とりあえずこの関係が確実なものになるまでは毎日」
嘘でしょ、と声にまで出ていたことに気づくのは言ってしまってから3秒後。
頭を抱え始めた琴子に、如月は「諦めろ」と呟いた。