課長が私に恋してる?


「課長、ソフレって知ってますか?」



ぶつ切りにしたネギをグツグツ煮立つ鍋へと追加投入しながら、ぽつりと琴子は尋ねてみた。



すると如月は自身お手製のつみれを自分のお椀によそいながら、首を傾げてこちらを見た。



「なんだそれは。デパ地下のスイーツか何かか」



「それはスフレです」



なるほどこの男もどうやら琴子と発想は大差無いらしい。
しかしそれならあの添い寝発言は今流行りだから提案しましたってわけではないのか。



自分から流行の最先端を考え出せるなんてすごいナー、ともはやよくわからない感心までしてしまう。



もぐもぐと無心に白菜を食べる目の前の男をそっと盗み見て。
ちらりと目の端に映るのは彼が先ほど自分の家から持ってきた大きなカバン。



どうやら彼は世間一般よりもたいそう本気で添い寝フレンドをやり遂げるらしい。



これじゃあ半同棲じゃないですかー!と叫んださっきのことが頭の中に蘇る。


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